2025年大阪・関西万博まで3年半 夢洲は今…夢よりも膨らむ負担 

2025年大阪・開催万博の開幕まで3年半を切った。会場となる大阪湾の人工島「夢洲(ゆめしま)」は、カジノを中核とする統合型リゾート(IR)の候補地でもある。大阪市の「負の遺産」と言われるが、どんな島なのか、どこまで工事が進んでいるのか、大阪湾に浮かぶ人工島を訪ねた。

万博やIRカジノに反対する団体や市民でつくる「夢洲の都市計画変更を考える市民懇談会」(夢洲懇談会)のメンバーで名古屋市立大名誉教授の山田明さん(73)=大阪市淀川区=と待ち合わせたのは大阪府咲洲(さきしま)庁舎。地上252メートルの展望台から夢洲が見下ろせる。

夢洲は東西2・5キロ、南北1・8キロ。広さは391ヘクタールで、甲子園球場100個分に当たる。

大阪市が建設残土や廃棄物の処分場として使うため、1977年に埋め立て免許を取得し整備を始めた。83年には市制100周年記念事業の一つとして、北側にある舞洲(まいしま)、南の咲洲を含む3島を「国際情報都市」にする計画が持ち上がったが、バブル崩壊で企業進出が進まず、計画は頓挫した。

さらに、2008年の五輪を大阪に招致し、夢洲を選手村として使ったあと住宅地にする構想も失敗。市が埋め立てなどに投じてきた費用は約3000億円にも上るため、夢洲は「負の遺産」と呼ばれてきた。

府と市は17年に「夢洲まちづくり構想」を発表、万博とIRの誘致をセットで進めてきた。夢洲の南側部約100㌶を万博会場とし、北側約70㌶にIRを誘致する計画だ。18年に万博開催が決定。25年にIR同時開業という当初の目論見は外れている。

構想ではIRは年間1500万人集客、万博は25年4月13日からの半年間で2800万人動員、13万2千人の雇用を創出するという青写真だ。

■物流の重要拠点

造成工事の進む島の東岸にはコンテナが積み上げられていた。

東岸にはカラフルなコンテナが積み上げられていた

 

参考記事:「大阪市は史上最大の財政リスクを抱える」大阪IR国に認定申請(上)

「西日本最大級のコンテナふ頭です。水深が深くて大阪港で唯一、大型コンテナ船が入れるんです」と山田さん。正式名称は「夢洲コンテナターミナル」。全長1350メートル、水深16メートルの岸壁を備え、大阪港のコンテナ取扱量の約4割を扱う。

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