大阪市長に提言 校長に聞く 競争だけが教育か

 

●賛同全国に広がる

 

久保校長の提言に対し、松井市長は5月20日の記者会見で「世の中いい人ばかりで、競争よりもすべての人を許容して、そういう社会で子どもが生きていければそれは理想。校長だけど現場がわかっていない。社会人として外に出たことがあるんかな」と非難した。

これに対し、久保校長は「教育が理想を失ったらおしまいではないかと思います」と反論する。

「子どもたちが置かれている状況下で、学力や考える力をつけることはやっています。子どもたちがもっと自分で選択できる情報を伝えたいと思うんです」

提言を出したことで、久保校長は市教委に事情を聞かれた。「もう少しで定年なのに、『魔が差したのですか』と言われました」。その後、顛末書の提出を求められた。

市長が処分まで口にしたことで、「校長を処分しないで」との声が広がっている。全国から50通を超える激励の手紙が届き、「支持します」のリツイートは10万件を超えた。

「6年生の女の子が親から聞いたのでしょうね、心配してくれて『卒業式、一緒に迎えてください』と言われましたよ」とうれしそうな久保校長はこうも言い添えた。「声を上げた者の責任として、今の教育がこれでいいのか議論を続けていきたいですね」

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