大阪で「不自由展」開催 「表現の自由守れた」

大阪市中央区の大阪府立労働センター「エル・おおさか」で7月16日から18日まで「表現の不自由展かんさい消されたものたち」(実行委主催)が開かれた。施設側が会場利用承認を突然取り消し、開催が危ぶまれたが、実行委は法的手段で対抗。最高裁も不使用を認めず、3日間の会期を全うした。   18日午後4時過ぎ。会場の9Fギャラリーに拍手が広がった。3日間の日程が無事終了。実行委員会のメンバーやボランティアのスタッフらが安堵の表情でペットボトルを掲げた。

「『明日も開催できるだろうか』と毎日どきどきしながら今日までたどり着きました。大阪でできなければどこでも出来なくなるだろう、そんな気持ちでした。大阪で、そして関西で表現の自由を守ったと思います」 実行委を代表してメンバーの1人があいさつした。

3日間で延べ1300人が来場した。新型コロナウイルス対策で観覧時間は50分、50人ずつに制限。午前9時から配布する入場整理券を求め、早朝から長蛇の列ができた。最終日の18日には午前8時過ぎに予定枚数がなくなるほど、市民の関心は高かった。

会場には100人を超えるボランティアスタッフのほか、約30人の弁護士がシフトを組んで常駐した。建物の外では、大音量の街宣車が列をなし、大勢の警察官が警備。「表現の自由を守れ」など思い思いのメッセージボードを掲げ、市民がズラリと立ち並んだ。「自分も何か役に立ちたい」と、手作りのプラカードを持参した人たちも少なくなかったという。

元「慰安婦」(撮影・安世鴻)の女性と「平和の少女像」

 

●名古屋で爆竹騒ぎ

  「表現の不自由展」は2012年、新宿のニコンサロンが元「慰安婦」をテーマにした韓国人の写真家、安世鴻(アン・セホン)さんの写真展を中止にした事件がきっかけで、支援者らが15年、東京で初めて開いた。過去に検閲によって消された作品を集め、表現の自由について問いかける。19年の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」では企画展「表現の不自由展・その後」として開催された。

しかし「慰安婦」を象徴する「平和の少女像」や昭和天皇の肖像を使った作品を燃やす映像などを一部の政治家や右翼が問題視。テロ予告等を受け、開幕3日で一時中断を余儀なくされた。名古屋市の河村たかし市長も開催中止を求め、会場前で抗議の座り込み。大阪府の松井一郎知事(当時)も河村氏に「デマの象徴である慰安婦像を公費で展示するのはいかがなものか」と進言した。

その後、会期終了直前に再開したが狭き門だった。大阪の実行委は、このとき抽選に外れた市民らが結成。「関西で作品に出会いたい」という思いが原点だった。

大阪の会場には写真や絵画、オブジェなど約30点が並べられた。「平和の少女像」や昭和天皇に関する映像作品も展示された。

本来ならば東京、名古屋、そして大阪と巡回する企画だったという。しかし、6月の東京は民間のギャラリーで予定されていたが、大音量の街宣活動による妨害で延期。名古屋は7月6日から1週間の予定で始まったが、3日目、爆竹のようなものが入った郵便物が会場の市立ギャラリーに届き、市側が臨時休館に。事実上の閉幕に追い込まれた。  

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