新型コロナが病院直撃「医療現場崩壊招く 経営危機」

患者減 出費は増

経営危機を招いた主な要因を、田端理事長は三つ上げる。
まずは「感染リスクを恐れて受診を控える人が多かったこと」。3月後半から患者が減り始め、全体で前年と同じ月と比べて10~15%の患者が減っているが、特に小児科では50%も患者を減らしているという。
同仁会では、社会福祉法に基づく「無料低額診療制度」を実施している。経済的理由により適切な医療を受けることができない住民に対し、無料または低額で診療を行う事業だ。昨年4月の新規申請者は9人だったが、この4月では18人と倍増している。

耳原鳳クリニックの緒方浩美医師はこう説明する。
「コロナ不況で解雇された患者さんが『健康保険料も払えず、次回の外来受診には来られないかもしれない』と言ってました。不安定就労、非正規労働者の方が多く、特に50代、60代の男性が多いですね。手取りが5分の1になったタクシー運転手さん、商売をされている患者さんも『確定申告せずに商売していたので、持続化給付金の申請もできない』と話していました。社会のしんどいところにいる人が病気になって働けない人もいます。無料低額診療制度のことを説明するのですが、明日の生計をどうしようかという人が自分の診察どころではないのかもしれません」

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