大阪市立十三市民病院が「コロナ専門」 突然の決定 現場は悲鳴

「専門外で不安」

患者を送り出すと同時に、受け入れ態勢も整えなければならない。病院側はコロナ専用の病床を90床とし、院内感染を避けるために清潔区域と汚染区域に分ける工事を進めている。

病院には結核病棟があるが、常勤の感染症専門医はいなかった。これまで感染者を治療してきた呼吸器内科の医師が中心となり、看護師らに感染防止研修を実施したという。

コロナ専門病院となって1週間、入院患者は20人ほど。

「最前線で闘っている看護師さんは精神的にも限界です。十分なメンタルケアも提供できていません。家族がいる人は家族への感染リスクを考え、単身赴任を選択する人もいますが、退職した人も少なくありません。私自身も専門外なのでわからないことばかり。いつまで続くのか不安です。市からは、医療従事者の増員という人的支援やマスクや防護服などの物的支援も今のところありません。コロナ病院にすると宣言して、そのまま放置されています」

さらに、現場の医療従事者を一層追い詰めているのが風評被害だ。

コロナ専門病院となることが決まり、シーツや入院着などの掃除や掃除を担当していた清掃業者が撤退した。病院の前にあったコンビニが「臨時休業」の張り紙をして店を閉めた。タクシーを呼んでも断られることもある。

以前は病院の中まで運んでくれていた郵便物や荷物も、今では「入口まで取りに来てほしい」と言われることもあったという。

なぜ、十三市民病院がコロナ専門病院に指定されたのか。なぜ、専門病院にしないと医療崩壊が起きるのか。現場には何ら説明もなく、一方的にトップダウンで決めたまま放置する市長のやり方に対し、前述の医療従事者は不信感が募るばかりだという。

「病院を一つ潰すことがどんなに大変なことか、現場のことをわかっていない」

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