大阪市立十三市民病院が「コロナ専門」 突然の決定 現場は悲鳴

入院患者を転院

病院との事前調整はなかった。院長ら医療関係者はその日の夕方のニュースで知った。このトップダウンの決定に患者から戸惑いの声が上がる。電話での問い合わせが殺到して、電話がつながらない状態が続いた。

入院患者は130人に上っており、通院患者は1日平均500人、分娩予定も280件入っていた。

病院には5月1日に運営開始というロードマップが示された。医師や看護師、医療スタッフ、事務職員らは不安を抱えながら準備に奔走する。4月16日には初診外来と救急診療を中止し、24日には外来診療を終えた。

大変だったのが、患者を転院させることだった。

匿名で取材に応じた医療関係者は「地獄のような毎日でした」と振り返る。

「長く通院している患者さんの中には泣き出す人、怒る人もいました。がんの手術を予定していた患者さんも移ってもらうしかなく、ただでさえしんどい抗がん剤治療をしている患者さんも自宅から遠い病院を紹介せざるを得ない状態でした。また、末期がんの患者さんにも負担をかけねばならず、みなさんの気持ちを思うと心苦しく、医師も看護師も泣いていました」

松井市長は記者団に「医療崩壊を起こさないためにも中等症専門病院はどうしても必要。スピード感を持って進めていく。入院患者には周辺の病院を手配し、行き場所をなくすようなことは絶対にしない」と語った。だが、すべての患者に周辺病院への紹介状を書き、転院調整を行ったのは病院。松井市長が医療現場に防護服が不足していると、市民に雨がっぱの提供を呼びかけた時もそうだが、打ち上げた後は知らん顔。寄せられた30万着分の仕分け作業に追われたのは市職員だった。

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