大阪の保健所が連日連夜の対応 現場の悲鳴「救える命救えない」 府職労の小松康則委員長に聞く

小松さんはこうも訴える。 「コロナ前から保健師の数は足りていませんでした」。

保健所の日常業務は、結核や新型インフルエンザなどの疾病・感染症対策はもちろん、難病患者や精神疾患のある人たちへの支援、障害や病気の子どもを抱える家庭の育児支援、飲食店の許認可に食中毒の調査など幅広い。「今から自殺します」という電話にも対応する。

大阪市24→1に

なぜ保健師が足りないのか。小松さんは「行政改革で、保健所の統廃合と人員削減が進められたため」と説明する。

「1994年に保健所法が廃止され、地域保健法の改正を経て、全国で852カ所あった保健所は20年後には半減しました。『公務員は少ない方がいい』とか、『スリムな行政組織がいい』という風潮が保健所削減の追い風となったのです」

大阪府では現在、府が設置する保健所は9カ所、約500人の職員が働いている。政令指定都市や中核市に設置している9カ所と合わせて18カ所あるが、2000年と比べると3分の1に減少した。とりわけ、24カ所あった大阪市の保健所は1カ所しかない。

さらに、保健師削減を加速させたのが、橋下徹市長と松井一郎知事時代の12年に制定された「職員基本条例」だった。職員数の管理目標を5年ごとに決定することで職員を減らしていく。1995年に1万7000人だった職員数は8500人と25年間で半減、人口10万人あたりの職員数も全国最低水準になった。しかも、コロナ禍などの緊急時でも職員定数を増やせない仕組みになっているという。

「労組ではこれまでも保健所や職員を増やしてほしいと訴えてきましたが、府から返ってくる答えは『条例で決まっている』『府民の理解が得られない』というものでした。それでも、私たちが声を上げないと、救える命も救えなくなると思い、オンライン署名に取り組みました」という小松松さんはこうも言い添える。「保健所だけでなく、公務全体の職員が削減されるということは、確実にそのしわ寄せが住民に向かいます。私たちの労働条件がどうのという問題だけではなく、支援を必要とする人に手が届かなくなることを危惧しています」

1

2

3
「新聞うずみ火」の年間購読は下記からお願いします

関連記事



ページ上部へ戻る