参院選 自公維160議席 改憲 首相なお意欲

安倍首相が目指す改憲に向けた3分の2は85議席だったが、改憲に前向きな維新を加えても81議席。「それでも安倍首相にとって最大限の数を取ったと思っているはずだ」と山田さんは切り出した。「数日前、首相周辺に話を聞くと、『与党と維新で80議席取れたら3分の2を得たのと同じ。あとは国民民主を切り崩せばいい』と語っていました。国民民主の非改選組の中に改憲派が3人おり、『81プラス3』が安倍さんの頭の中にあるので、もう手が届いたと思っているかもしれません」

今回、安倍首相は「憲法を議論する政党を選ぶか、議論すら拒否する政党を選ぶのか」と繰り返したことに触れ、「有権者が重視するテーマとして、改憲の順位は低い。安倍さんもそのことは知っている。それでも争点にしたのは、選挙に勝った時に『国民から信任を得た』と言いたかったから。残る2年余りの総裁任期をにらんで、参院選後、停滞する憲法審査会の論議を促そうとしたわけです」

安倍首相は22日の自民党本部での記者会見でも「議論すべきという国民の審判は下った。野党の皆さまにはこの民意を正面から受け止めていただき、令和の時代にふさわしい憲法改正案の策定に向かって衆参両院の第一党として、わが党は今後、強いリーダーシップを発揮していく」と語っている。

国民民主が憲法審査会を拒否しているのは、国会発議の後、国民投票になった場合にCM規制がないこと。改憲派と護憲派、資金力がある方が自由に、効果的なCMをテレビや新聞などに打つことができる。それを規制する国民投票法改正を求めているのだ。

「安倍さんとすれば何としても引っ張り出したい。それゆえ、CM規制すべきという国民民主の訴えに応じるのではないか。立憲民主も断る理由がなくなり、共産は絶対反対だから、野党を分断することにもなる。それに、安倍さんが憲法審査会を動かしたいのは、自分を支えてくれている保守層に『やっている感』を見せたいからで、それが安倍さんにとっての求心力です」

立憲民主は憲法審査会の論議に応じるか。「立憲はCM規制もあるが、憲法違反の安保法制があるうちは議論できないという姿勢ですが、ここにきて枝野さんは少し控えている感じがします。安保法制廃止を言い過ぎると、国民民主との間に温度差を、安倍さんに突かれるのではないかと懸念している」

とはいえ、憲法審査会での議論が始まると、最終的には数の力で強行採決されることはないか。
山田さんは否定した上で「そこで鍵を握るのが公明党です」という。

「公明党改憲勢力という枠の中に入っているが、改憲には慎重です。今回、公明は14議席を獲得したが、比例区の得票数が635万と前回を下回っている。組織力が落ちているのは、『安倍ペースで譲り過ぎたのではないか』という反省がある。自分たちのアイデンティティを出すために、改憲に慎重な態度を出してくると思います。もし、自民が改憲案を強行採決しようとすると、公明との協力関係にヒビが入る。自民は参院で単独過半数を取れなかったので、公明の力がこれまで以上必要となってくる。2年以内には衆院選があるわけですから、安倍さんはより慎重になると思います」

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