幸田泉さん講演「大阪市を廃止して設置する特別区は日本一貧乏な自治体になる」

新聞うずみ火主催の「『大阪都構想』を考える連続講座」第4弾は9月25日、大阪市中央区のターネンビルで開講。「大阪都構想」の設計図「特別区設置協定書」を話し合う法定協議会をすべて傍聴したフリージャーナリストの幸田泉さんが「看板に偽りあり―大阪都構想」と題して講演し、「大阪市が廃止されて設置される特別区は日本一貧乏な自治体になる」と訴えた。

いわゆる「大阪都構想」の設計図である「特別区設置協定書」は「大都市制度特別区設置協議会」で話し合って作成することになっている。法律で設置が義務付けられているので、通称「法定協議会」と呼ばれる。

2015年5月17日の住民投票で、69万票対70万票で否決されたにもかかわらず、法定協議会が再び設置され、17年6月から今年9月まで37回開かれた。すべて傍聴した幸田さんは「不都合な事実は隠された『大阪市廃止』ありきの出来レースだった」と訴える。

「大阪都構想」の骨格は大阪市の予算と仕事を大阪府と四つの特別区に分けること。
現在の大阪市は一般会計予算8600億円で、2900の仕事を行っている。大阪市が廃止されて設置される4特別区は6600億円で2500の住民生活に密着したサービスを行い、大阪府は2000億円を受け取り、都市計画など400の大きな仕事を担うことになっている。
幸田さんは「6600億円と2000億円を足すと8600億円になるが、ここにトリックがある。特別区は四つに分かれるので『分割コスト』が発生する」と指摘する。

自治体はどれぐらいのお金があれば運営できるのか、計算式がある。人口が多い少ない、面積が広い狭い、高齢者が多い少ないなどから「基準財政需要額」というものを導き出す。自治体を運営していく上での基本的な数字だ。
日本の地方自治体は、地方交付税法に基づいて「基準財政需要額」を算出し、税収がそれに足りなければ、国が地方交付税を払って補うという形で運営されている。

1

2

関連記事



ページ上部へ戻る