吉村大阪府知事の戦略 検証なくメディア礼賛

5月16日午前零時。通天閣と太陽の塔が緑色にライトアップされた。吉村洋文大阪府知事が5月5日に発表した外出自粛・休業要請解除の独自条件を達成した。①陽性率7%未満②経路不明の新規感染者が10人未満。新型コロナ重症者のベッド使用率60%未満の3条件を同時達成日が7日間続けば休業要請を段階的に解除する「大阪モデル」始動だ。

政府は15日に39県の緊急事態宣言を解除したが、大阪は含まれない。独自の「出口戦略」について吉村知事は会見で「新型コロナウイルスとの共存の第2ステージに入った」と気を引き締めて見せた。

「数値で示すことが重要」と強調していた知事。「国は全然、休業要請解除などの道を示していない」と指摘して西村康稔経済再生担当相に「それは都道府県知事の権限。吉村さんは勘違いしているのでは」とされ、「勘違い」をツイートで謝罪した。しかし「知事権限ならば独自でやらせていただきます」とばかり逆手に取った。

吉村氏は「リーマンショックでは8千人が自殺した。感染によって失われる命と経済によって失われる命がある。両方守っていく」とテレビで語った。5月末までの緊急事態宣言の延長を決めた安倍首相が「可能であると判断すれば期間満了を待つことなく解除する考えであります」と抽象的なことしか言えない中、数字を示すインパクトの強い提言はメディアにも礼賛されている。失敗した時の責任回避のために抽象的な言い回しに終始する官僚たちに支えられる安倍首相との差が際立つ。

昨年の統一地方選で「維新の会」は奥の手で松井一郎氏と吉村氏を市長と知事で入れ替えた。松井市長が表に出ないのも成功している。「松井さん、ちょっとあんちゃんみたいな顔やから、ハンサムな吉村さんが大阪の顔になった方がええわ」(40代の女性)という声も聞く。

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