市議会は3月16日に運営会社「大阪IR株式会社」の代表取締役2氏の参考人招致を実施、異例の公費負担に至る経緯などについてただした。同社はIR運営のためMGM・オリックスを中核に設立された合弁会社。関西電力や大阪ガス、NTT西日本、JR西日本、パナソニック、建設業では大林組や大成建設、竹中工務店など計20社が出資する。
参考人招致で高橋豊典代表取締役(オリックス執行役)は「公費で土壌対策がされなければ事業を進めることは困難。適正な土地にしていただきたいと要望した」と発言。唯一手を挙げた業者にすがりつき、維新行政が譲歩を重ねた構図をほのめかした。
府・市は2月15日には大阪IR株式会社と基本協定書を締結した。事業を円滑に進めるための手続きなどが規定されたもので、今後、国が認可すれば、同社と府が本契約である実施協定を締結、29年秋の開業を見込む。
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基本協定書には「新たな土地課題が生じた場合」「観光需要がコロナ禍以前の水準まで見込めない場合」など「事業者が事業実施困難と判断し、十分な対策を得られなければ撤退できる」といった条件が列挙された。参考人招致でもこの撤退リスクの問題が焦点になった。高橋氏は「撤退する気は毛頭ないが、そういう見極めをする時が来るかもしれない」と含みを持たせた。(続く)
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