「アウン・サン・スー・チー氏を釈放しろ」「ミャンマーの民主化活動を勝利するぞ」――。ミャンマーで軍事クーデターが起きて3カ月。軍に抗議する集会が5月2日、神戸市中央区の東遊園地であり、京阪神に住むミャンマー人ら約350人が独裁への抵抗を示す3本指を立てて声を上げた。
この日は、すべてのミャンマー人がクーデター反対の意思を示す「世界統一行動」と位置づけ、欧米やアジアなどで抗議集会が開かれ、国内では神戸や東京、沖縄など8カ所で実施された。
参加者は犠牲者を追悼する黒い服装や黒いマスク、血を示す3本指を赤く塗った手袋をはめて整列。時折、激しい雨が降る中、「私たちは国民統一政府(NUG)を支持する」と書かれたプラカードを持ち、「軍事政権を許さないぞ」「国軍は市民への弾圧を止めろ」などと抗議した。
集会開催に尽力した大阪在住のミャンマー人、小川桃生(ももう)さんは「緊急事態宣言が出ているのに集まってすみません。それでも、この日はどうしても実行したかった。ミャンマーでは国軍の弾圧で市民が犠牲になっています。何としても止めたい。平和な日々を取り戻したい。日本の皆さんの力を貸してほしい」と訴えた。
この日は日本人の支援者も駆けつけ、抗議集会を見守った。その一人、大学2年生の田村華菜さん(19)はミャンマー人の友人がいるという。「コロナ禍で自粛が続く中、集まって声を上げることに批判も出ると思うが、そうせざるを得ない事情を理解してほしい。ミャンマー市民を守りたい、ミャンマーの民主主義を守りたいという意思の強さを感じます」と話していた。
参照:「入管法改悪反対」「収容しないで」弁護士や人権団体が大阪で抗議のデモ