「都構想」再びノー 大阪市廃止 押し返した草の根市民

地下鉄岸里駅近くの西成区役所は投票所の一つ。入口周辺でボードを掲げスタンディングするのは、隣接する政令指定都市から応援に来た堺市民たちだった。

大阪市民の選択は周辺市と無関係ではない。仮に大阪市が特別区に分割されたとしたら、隣接市は府議会と市議会の議決で特別区移行が可能になる。住民投票はいらない。「しかも堺市長は大阪維新の会。市議会も大阪維新の会が第一党なんです」。告示後、週末ごとに西成区の路地裏で呼びかけを続ける地道な活動も続けてきた。投票日のこの日は150人以上が参加、数カ所に分散し交代で立っているという。

「市民が主役」 

こうした行動は市内の投票所前で早朝から午後8時まで自然発生的に行われた。午前9時過ぎ、東淀川区の小学校前では約10人が投票に訪れる市民たちに声かけをしていた。「おはようございます」「お疲れ様です」「大阪市を守りましょう」。聞けば地域の自民党の青年たち、隣接する豊中市の市民たち、地元の高齢者という3者。通常なら滅多に行動を共にしないであろう顔ぶれが偶然にもここで一緒になり、思いを一つに訴えていた。

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