<大阪市廃止を問う住民投票>告示日の吉村知事の第一声に言葉失う

政令指定都市の大阪市を廃止して四つの特別区に分割することの賛否を問う2度目の住民投票が10月12日に告示され、大阪市廃止派と存続派の論戦が本格化した。

告示の日、廃止派の「大阪維新の会」のツートップは公明党とともに大阪市中央区のなんば高島屋前で第一声を上げた。存続派を「二重行政を推進して税金を無駄遣いした」と批判し、10年に及ぶ「維新政治」を礼賛した。

代表代行の吉村洋文・大阪府知事は「10年前、15年前の大阪はどうだったのか。大阪市も大阪府も借金は多い。それぞれ二重行政で無駄遣いをする。無茶苦茶な状況です」と切り出した。

15年前といえば関淳一市長と太田房江知事で、10年前は平松邦夫市長と橋下徹知事の時代。バブルもはじけ、10年前にもリーマンショックの後遺症で苦しんでいた時期。吉村氏が言うような二重行政による無駄遣いがあったのだろうか……。

さらに、吉村氏は「二重行政の象徴」として、市の旧「大阪ワールドトレードセンタービルディング」(=WTC、大阪市)と府の旧「りんくうゲートタワービル」(=GTB、大阪府泉佐野市)の高さ争いを引き合いに出し、こう続けた。

「大阪市があの湾岸エリアに256メートルの大きなビルを建てる。大阪府はそれに負けじと、りんくうのエリアに高さ256・1メートルの同じようなビルを建てる。そこにかかったお金は合計で2000億円。全部パア。なんちゅうことをしてるんですか」

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