リバティおおさか休館 新たな場所で再出発へ

しかし市側は歴史的経緯については一切応えず、土地の所有権のみを主張した。年々、自主運営が厳しさを増す中、現実的な選択として約1年半前から和解協議に移行、同館側が土地を明け渡す代わりに、市は15年度からの賃料約1億9000万円の支払いを免除することで合意した。

同館は6月で休館し、当地での35年の歴史に幕を下ろす。来年6月までに建物を撤去、立ち退くという。「建設する場所や規模、再開への具体的な日程は未定だが、全国水平社創立100周年の22年に向け、新しい場所での再建を目指したい」(同館)という。

危機に瀕する同館を支えようと昨年1月、市民有志で「リバティ応援団」を立ち上げた元学芸員の太田恭治さんは「ヘイトスピーチなど差別と人権に関する課題にどう立ち向かうか問われる時代、休館は惜しまれるが貴重な3万点の資料をどう次の施設につなげるのか、若い世代の人たちと考えたい」と話した。

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