「元徴用工」原告女性の訴え 戦後も偏見の苦しみ

「1965年当時、企業は何もしなかった。強制的に連れて行き、強制労働をさせたのに。『手のひらで空を隠す』という韓国のことわざがありますが、それくらい恥ずかしいことではないですか。政治家と違い、企業は長く続きます。良心に従って慰謝料を払い謝罪したら終わることです。そのほうが企業としていい評価を得るのに、それすら放棄している。慰謝料の額もそれほど多いわけではない。本当にバカげています」

金さんも続けた。「日鉄は当初、判決が確定したら払うと言っていました。ところが、安倍政権が企業側に圧力をかけました。私たちは何度も日本に行き、『話し合いで解決しよう』と申し入れていますが、日鉄も三菱も不二越も門前払いなのです。韓国の最高の司法機関で確定した判決を履行しないという不法状態です。逆だったらどうでしょうか。民事訴訟に国が介入することは民主主義に反することです」

そして金さんも、何より原告・被害者たちの思いに寄り添うことの重みを強調した。

「日本のメディアは文政権と安倍政権が裁判しているかのように報じますが、被害者の声はあまり報じません。韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長が和解案をまとめましたが私たちは批判しています。2+2+αとか、誰がお金を出すとか、お金の問題ばかりいわれるのは残念です。彼らは国から年金も出ています。お金の問題ではないのです。悔しい思いをさせた企業側に謝罪を求め、法的な責任をとらせたいと。正義の問題なのです」

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