「日本で生まれ育ったのにインターハイに出られないのはおかしい」という声が社会から上がり、JR定期券や大学入試でも朝鮮学校を締め出した「1条校の壁」に風穴が開きつつあった。
「全半壊した校舎を修復する際、公立学校には3分の2、私立学校には2分の1の費用を国が補助する」と定める激甚災害法でも朝鮮学校は対象外だったが、私学並みに費用の半分が補助された。
ところが北朝鮮による拉致事件発覚後、風向きは変わった。朝鮮学校は高校授業料無償化が認められず、地方自治体からの補助金もカット。神戸朝鮮初中級学校でも門柱に赤いスプレーを吹き付けられたり、ブロックを投げ込まれて玄関のガラス扉が割られたこともある。
金相訓(キム・サンフン)校長(46)は「嫌がらせもありますが、震災以降、支えてくれる日本の方々との交流は続いています。出会ってくれればいつか理解し合えると信じています」と話している。(矢野宏)
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