高齢ドライバーと事故 「とっさの対処」大丈夫?

高齢ドライバーによる重大事故が後を絶たない。75歳以上の運転免許返納は進んでいるのか。生活のため車を手放せない人はどうすればいいのか。高齢者の運転に詳しい立正大教授の所正文さんに話を聞いた。(矢野宏)

高齢ドライバーによる死亡事故は増えているのか。警察庁のデータによると、2017年に75歳以上の高齢ドライバーによる死亡事故件数は418件と横ばい。だが、免許を持つ10万人あたりの死亡事故件数は、75歳未満で3・7件、75歳以上は7・7件、80歳以上になると10・6件と、増加傾向にある。

事故の特徴について、所さんは「交差点内での事故が多い」と指摘する。「交差点では、歩行者、対向車、横から入ってくる車にも対応しなければならない。いろんな情報を瞬時に判断し、対応しなければならず、反応が遅れたり、動作を間違えたりします。それで出会い頭の事故や右折事故が多いのです」

そこに、「過信」も加わるという。「自分の運転に自信を持っている人の割合は年齢を重ねるごとに高くなります。30代男性が28・6%なのに、80歳以上の男性は76%、女性も58・3%と高い。事故を起こしていない自信が過信を招き、自分の衰えを直視しない。運転は経験の蓄積とは違い、とっさの対処能力が重要なのです」

道路交通法改正で、免許更新時に70歳以上は高齢者講習が、75歳以上はそれに加え認知機能検査が義務付けられた。

「これらの検査をパスしても事故は起きる。東京・池袋での事故もそう。全国1400カ所の自動車講習所で講習を行うのですが、名古屋では受講する人が多くて順番待ちができるほど。25年には団塊の世代が75歳以上になります。この世代は人口も多く、免許の保有率も90%近い。私の試算で1700万人の高齢ドライバーが出現し、今のシステムは機能不全となります」

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