高齢ドライバーと事故 「とっさの対処」大丈夫?

運転免許の自主返納は進んでいるのか。所さんは「データによると、07年には1万人にも満たなかったのに、17年には17万人が自主返納しています。特に、大阪や東京など都市部が高いです」

一方で、スーパーや病院などが遠く車を手放せない人も少なくない。公共交通機関も少なく、タクシーを利用するには経済的にも手控えたい。

「地方社会は中心部が空洞化している。駅近くはシャッター通りで、郊外に役所や病院などを移転している。そんな街づくりをしてしまった」
相次ぐ事故報道を見て、地方で暮らす親に「もう運転するのをやめろ」というのはよくないと、所さんは指摘する。 「一人暮らしの高齢者には車が命綱であり、周囲が返納を頭ごなしに言うのは逆効果。気持ちに寄り添う必要があります。今後、どのように買い物や外出ができるかなど具体的な生活を一緒に話し合うべきです」

所さんは「乗り合いタクシーの割引券を出すなど、地方では行政の福祉事業として取り組んでいるとことがありますが、財政は厳しい。北海道伊達市ではタクシー会社が『愛のりタクシー』と名付けた高齢者向け移動サービスを行っている。民間の輸送事業者がビジネスチャンスととらえ、知恵を出してほしい」

 

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