熊本南部豪雨 読者から無事の連絡

熊本県南部を中心に襲った豪雨で甚大な被害を出した八代市や津奈木町の「新聞うずみ火」読者に安否確認の電話を入れたところ不通。お見舞い状を送った数日後、電話、はがき、ファックスでお元気な様子を伝えてくれた。ご報告します。(矢野宏)

 

車中避難で痛む持病  八代市 横林政美

7月4日、携帯電話の呼び出しで目を覚ますと、市内に住む娘が叫んでいました。「私たちは今から避難するけど、お父さんたちも早く避難したら」。すぐに家の外を見回しましたが、避難するような状況ではないので「わかった」と答えたものの、大丈夫だろうと思っていました。

数分後、友人から連絡が入りました。「球磨川は昨夜から今朝までの雨で、今まで見たことのないような水量だ。もしかすると水が堤防を超えるかもしれない。私たちは親戚の2階に避難する」。妻の「避難するよ」との声に、介助なしでは動けない私は、病院の受診券や薬などを持ち、妻が運転する車で娘夫婦が避難している商業施設の立体駐車場へ。次々に車が入ってきました。

数分後、「球磨川上流のダムの放流を1時間後に行います」とのメールが。今も水位が上昇し危険な状況なのにダムの放流で八代の平野は浸水するのでは、と不安な気持ちから、脊髄神経を損傷している私の下半身はしびれと痛みが増幅しました。車の中で横に寝ることもできず、我慢していると、「ダム放流は中止」の連絡が。

その時、上流の人吉市では甚大な被害が出ていたのです。八代市の平野部では4日の昼間は雨もなく、ダムの放流も中止され、難を逃れることができました。球磨川沿いの山間部の八代市では道路の決壊などで救助が遅れて亡くなられた方もいました。自然災害後の国による支援は当然ですが、毎年発生する自然災害を予知、防ぐことができないのかと思います。

 

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