「どれだけ税金がむしり取られるかわからない」専門家が警鐘鳴らすも…大阪IR国に認定申請(中)

「大阪IR株式会社は土地課題対策を大阪市の代わりに実施し、その費用負担を大阪市が約束することになります。同社が関連企業などに発注する際は随意契約で、公金で負担されるなら高く発注する可能性が高い。夢洲整備は市にとって史上最大の財政リスク。ツケは公共サービスや公共事業の削減で現れるでしょう」

「大阪市にとって史上最大の財政リスク」と話す立命館大教授の森さん=4月15日、大阪市茨木市

土地課題対策費788億円は地中障害物撤去、土壌汚染対策、液状化対策が対象。この額で収まるはずがなく、昨年12月の市の大規模事業リスク管理会議では、万博・IRのための「夢洲造成費用」を21年度以降、2482億円と試算した。ここには地盤沈下対策費は含まれていない。

夢洲は軟弱地盤で、事業者は「洪積層まで沈下するきわめてまれな地盤条件」「地盤沈下に加え液状化が生じた場合は技術的にも未知」と指摘。未知の領域に踏み込む地盤沈下対策費も、基本協定書では大阪市の負担とされている。

参考記事:「大阪市は史上最大の財政リスクを抱える」大阪IR国に認定申請(上)

このほか、万博会場の建設費が1250億円から1850億円に増え、大阪メトロ中央線の新駅を夢洲に設置するための延伸工事費が当初見込みから129億円の増額。夢洲への交通アクセスとして整備が進められる阪神高速道路淀川左岸線の2期工事も1000億円追加され、「現時点でわかっているだけでも大阪市の財政負担は3000億円程度。さらに増えるでしょう」(続く)

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