●第5波 現場の声は生かされるのか
オンライン会見から1カ月あまり。府の新規感染者数は8月6日には、第4波のピーク時を上回る1310人に達した。政府の「原則自宅療養」方針が批判を浴びる中、吉村知事は「(入院の必要のない患者は)原則宿泊療養」との意向を示す。府では第4波の反省を踏まえ、7月26日から宿泊療養の入所手続きを迅速化する「宿泊療養システム」を導入した。保健所が病状を確認し、宿泊療養が決まれば部屋や搬送用タクシーの確保などの手続きをするという内容だ。
しかし、当初からタクシーが不足するなどし、新規感染者が急増する中、搬送遅れが顕在化しているという。
新システムについて知事が会見で発表したのは7月21日。翌日からの連休中、保健所に説明があり、連休明け26日には運用開始という「スピード感」だった。今回もトップダウン。「現場の声を踏まえて再検証し、態勢を整えるべき」「システムより人を」。現場から悲鳴が上がる。