コロナと沖縄 基地クラスターに不安

新型コロナの感染が再び拡大に転じる中、在日米軍基地内での感染者数が増加している。特に沖縄では大規模なクラスターが発生、県民の生活を脅かしている。(栗原佳子)

沖縄では観光自粛を呼びかけるなどして5月1日から68日間、感染確認ゼロで推移していた。しかし7月7日以降、普天間飛行場(宜野湾市)、キャンプハンセン(金武町)など米軍基地内の大規模感染が次々に明らかになり、7月20日までに143人に。同日の県内の累計感染者数153人に迫る勢いだ。

クラスター発生は、7月4日の米国独立記念日前後に、基地の内外で大規模なパーティーが開かれたことなどが背景にあるとされる。

米国は感染者数、死者数も世界最多。日本は米国からの入国を原則拒否しているが、米軍関係者は対象外。在日米軍人・軍属らの法的地位を定める日米地位協定9条が「合衆国軍隊の構成員は、旅券及び査証に関する日本国の法令の適用から除外される」と定めているからだ。7、8月は米軍の異動時期にあたるが、米軍関係者が米国から直接在日米軍基地に入る場合、無症状者のPCR検査も義務付けられていない。

問題は基地と隣り合わせにある県民の生活。沖縄の米軍人・軍属は普段から基地の外で買い物などもし、基地の外で暮らす軍人も少なくない。これまで感染者のうち少なくとも3分の1が感染後に基地外に出ていたことも判明した。 一方で、大規模感染が発生したキャンプハンセンに出入りするタクシー運転手の感染が判明、県民の不安は現実のものとなっている。

日常的に米軍人・軍属が利用するキャンプハンセン前の飲食店街では19日、希望者が医師会のPCR検査を受けたという。元金武町長で元県議の吉田勝廣さん(75)は「みな危機感でいっぱい。基地従業員も家族と感染の不安を抱えながら仕事をしている」と憂える。

県や県議会も基地の封鎖や情報開示を求めているが、米軍側からまともな情報提供はない。在韓米軍が感染者の身分、移動歴、隔離施設などを積極的に公開しているのとは対照的だ。日本政府はあくまでも「米軍と必要な情報共有はしている」という立場だ。

「軍事基地だけは特別扱い。『治外法権』のような状態だ。この理不尽さを県外の人に知ってほしい」。吉田さんはそう訴えた。

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