宮古島・奄美大島 南西諸島 進む基地開設

しかも、3基は軽油だが4基はヘリのジェット燃料だとわかった。清水さんらの追及に、防衛省は、グラウンドを「緊急に」ヘリパッドとして利用することを認めたという。

また燃料タンクとわずか100メートルの距離に、防衛省が「作らない」としていた弾薬庫があることもわかった。「ミサイル本体は置かない」とも明言していたが、中距離多目的誘導弾が運び込まれていたことも暴露された。中距離多目的誘導弾は小型ミサイルで警備部隊の装備だ。「運び込んだのは私たちが市内でデモをした3月21日だったそうです。防衛省は島から撤去したとしていますが、本当に運び出されたのかは確かめようがありません」

「住民連絡会」代表の仲里正繁さんは、正門前でメロンを栽培する農家。「有事を想定した配備が現実的に行われている。住民は不安です。一昨年の説明会で、どんな基地になるのか質問すると、『前線基地』という答えでした。『最前線ということか』さらに聞くと答えず、それからは『初動基地』と言い方を変えました。でも4月7日の式典で、岩屋防衛大臣は『わが国防衛の最前線』と訓示していました。大臣がはっきり言っているわけですから」

この日の地元紙は、島の複数の海岸で行われた廃油ボールと呼ばれる小さな油の塊の撤去作業に隊員が「災害出動」したと報じた。市長が県に要請し、県が出動を命じたという。しかし、毎年大型台風が襲来するこの島で過去、分屯する航空自衛隊が出動した事例はないという。「それが廃油ボールで災害出動ですか。実績作りのパフォーマンスにしか見えません」と仲里さんは違和感を拭い去れない。

隊舎に入居した隊員は千代田地区の住民となる。小学校は1クラスから2クラスになった。「隊員や家族に罪はありません。ただ、配備された場所と、ミサイル基地ということに反対が多いということはこれからも、要望などのかたちで伝えていきます」

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