リバティおおさか休館 新たな場所で再出発へ

閉館したリバティおおさか・大阪人権博物館(大阪市浪速区)

閉館したリバティおおさか・大阪人権博物館(大阪市浪速区)

「リバティおおさか」の愛称で親しまれてきた大阪市浪速区の「大阪人権博物館」が6月1日から休館することになった。大阪府・市に補助金を全廃されたうえ、市に土地返還の訴訟も起こされていたが、5月18日、和解が成立。来年までに退去、新しい場所を探して再開を目指す。(栗原佳子)

リバティおおさかは1985年、国内唯一の人権問題に関する総合博物館として大阪府、大阪市などで出資した財団法人が開設。被差別部落、在日コリアン、ウチナーンチュ、アイヌ、女性、障害者、ホームレス、性的少数者、ハンセン病回復者、HIV感染者など、国内外の人権問題の資料3万点を収蔵、これまで国内外から170人が訪れ、学習・啓発の場として活用してきた。

しかし、2008年に橋下徹氏(大阪維新の会顧問)が府知事に就任すると逆風にさらされる。橋下氏は「差別や人権などネガティブな部分が多い」などと展示内容の見直しを指示、同館は橋下氏の意向を受けるかたちで11年にリニューアルした。

しかし翌年、視察に訪れた橋下氏(同年の府市ダブル首長選で市長に転身)は、「いつもの差別と人権のオンパレード。僕の考えにあわないので市税の投入はゼロベースで考え直す」などと切り捨てた。同行した知事の松井一郎氏も「公金を投入する内容ではない」と追随。かつて年間予算の85%が府と市の補助金だった同館だが、13年にはその補助金が全額カットされた。

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