桜を見る会前夜祭 説明のたび深まる疑惑

首相主催の「桜を見る会」の前日に安倍首相の後援会が開いた「前夜祭」をめぐる問題。ホテルニューオータニでの立食パーティーで、会費5000円で800人が参加したとされ、安倍首相はホテル側とやり取りした明細書についても「そうしたものはない」と話すなど、疑惑は広がっている。11月18日のMBSラジオ「ニュースなラヂオ」では、「政治とカネ」の問題の第一人者で神戸学院大教授の上脇博之さんに話を聞いた。(矢野宏)

前夜祭の参加費1人5000円という会費について、ホテル側は「最低でも1人1万1000円」と回答。もし、安倍事務所が差額分を補填していたらどうなるのか。

上脇さんは「公職選挙法が禁止する『寄付』に該当する」と指摘する。

「5000円しか払っていないのに1万円以上の価値のある料理を食べることができたわけですから、参加した人は得したと思うでしょう。得したと言う感覚は差額分で、その差額分が政治団体から寄付されたことになります」

また、上脇さんは「補填するということは政治団体が収支報告にないお金を持っていることになる。つまり裏金の可能性も出てきます」

こうした疑惑に対し、安倍首相は「参加者の大多数がホテルの宿泊者である事情を踏まえ、ホテル側が設定した金額だ」と説明。上脇さんは「安倍さんは重大な自白をした」と切り出し、「ホテル側は『5000円の料理にしましょうか』と言ったのではない。料理の価値は下げない。この場合の差額分について寄付になり、二つの可能性が生じる」という。

「一つは、ホテルも公職選挙法違反の共犯となる。もう一つは、ホテルは安倍首相の政治団体の割引分を寄付したことになります。ホテルは企業ですから、企業が政治団体に寄付することを禁止した政治資金規正法違反になります。この場合、寄付したホテルも受け取った政治団体も処罰され、1年以下の禁固または50万円以下の罰金となります」

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