F35A墜落事故 欠陥把握せず爆買い

青森県の航空自衛隊三沢基地に所属する最新鋭ステレス戦闘機F35Aが4月9日、夜間訓練中に太平洋上に墜落。事故発生から10日が過ぎても操縦士はなお行方不明で、尾翼の一部しか発見されていない。F35シリーズはかねてから安全性が疑問視されていたのに、105機もの追加購入を決めた安倍政権に批判の声が上がっている。(矢野宏)

米ロッキード・マーチン社が開発したF35はレーダーに捉えにくい性能に優れており、日本は次世代の主力戦闘機として147機の導入を計画している。現在取得を進めている42機に加え、安倍政権は昨年末に「中期防衛力整備計画」で1兆2000億円以上かけて通常離着陸型のA型63機と垂直着陸が可能なB型42機の計1105機を追加購入する。B型は空母化される「いずも」型護衛艦に運用される。
A型は1機116億円、B型はもっと高額になるという。

市民団体「武器取引反対ネットワーク」代表の杉原浩司さんは「F35シリーズには欠陥があることは以前から指摘されていた」という。

「米政府監査院が昨年1月の時点で未解決の欠陥966件もあることを指摘していた。2017年には操縦士の酸素欠乏が6回も起きるなど、呼吸調節装置がひんぱんに故障するため、墜落の危険性も懸念されていたのです」

2月の衆院予算委員会でも共産党の宮本徹議員がこの問題を取り上げたが、岩屋防衛相は「防衛省としては、そのリストは保有していない」と答弁している。

宮本氏は「F35の実態は未完の戦闘機。車で言えば新車を毎年リコールし続けるようなもの。147機もの爆買いを止めるべきだ」と訴えたが、岩屋防衛相は「取得・配備の計画を変更する考えはない」と述べている。

「政府の給付型奨学金の予算は18年度で105億円。F35A1機分のお金があれば90の認可型保育所を新設できます」という杉原さん。「購入すればそれで終わりではない」と打ち明ける。

「F35シリーズは維持管理費も高く、運用30年で1機あたり300億円を超えます。147機の購入費・維持管理費を合わせると、単純計算しただけで総額は6兆2000億円あまり。トランプ政権に媚を売るために、欠陥機を爆買いすることは許されません」

なぜ、これほど高額になるのか。杉原さんは「米国防総省が行っている対外軍事援助プログラム『有償軍事援助』で購入するためだ」という。

「この制度では兵器の価格や納期などが米国側の都合で決められるのだから、言い値で買わされているのです。14年度までは年2000億円に満たなかったのが、19年度は7000億円を突破するなど、安倍政権になってからその額は急増しています」

軍拡を進める中国に対抗するためには最新鋭の戦闘機が必要だという声も耳にするが、杉原さんは「目には目を、軍拡には軍拡で進めたら日本の財政はもちません。しかも、中国やロシアにさらなる軍拡の口実を与えることになります」と警鐘を鳴らしている。 いずも、F35と、日本はすでに専守防衛の一線を超えた。

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