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- 2022/2/13
和歌山県は9日、人工島・和歌山マリーナシティ内敷地(和歌山市毛見)に誘致を計画しているIR(統合型リゾート)の区域整備計画案を公表した。カジノスペースやMICE(国際的な会議)などの機能から成る総延べ69万7000平方メートルに及ぶ施設の整備イメージを提示。設立を予定している特定目的会社(SPC)の出資・運営体制も明らかにした。SPCには事業予定者のクレアベストニームベンチャーズ(東京都品川区)らによるコンソーシアムのほか、西松建設などが出資・参画する予定だ。2027年秋ごろの開業を目指す。
施設名称は「IR和歌山(仮称)」。県固有の自然資源と最先端テクノロジーの融合をテーマに、滞在・体験を通じた「ウエルビーイング(幸せな暮らし)観光」を提供する。
建設予定地は和歌山マリーナシティのうち23・61ヘクタール。用途地域は商業地域で、建ぺい率80%、容積率400%。土地は20年3月に県と所有者で不動産売買契約を締結済み。国の区域選定を経て、23年春にIR事業者へ引き渡す。
国の選定を経て、10社以上で出資するSPC「和歌山IR会社(仮称)」を設立する。米国のカジノ・ホテル運営会社であるシーザーズ・エンターテインメントが出資、同コンソーシアムと共に中核株主となる予定。7日に開いた県特別委員会によると、このほか西松建設の参画が内定しており、その他の出資予定企業と現在協議中としている。
資金計画では初期投資額は4700億円で、このうちSPC出資額が1450億円、借入金が3250億円。開業2年目の全体収益は2200億円(うちゲーミング収益1800億円)を試算し、営業利益と純利益のプラス転換を見込んでいる。
施設配置は、和歌浦にそびえ立つ巨大な鳥居を模した建物とする。メインにカジノ施設(延べ4万4500平方メートル)や国際会議場(6万8700平方メートル)、展示場(6万7500平方メートル)、ホテル(31万2000平方メートル、2546室)を計画。国際会議場はアリーナ(収容人数6134人)とボールルーム(1万人超)小・中会議場17室(最大3636人)などを備え、展示場は1万2000平方メートル(約6000人)×2室の同時稼働が可能となる。
このほか、eスポーツや先端医療などを体験できる滞在促進施設(19万平方メートル)、日本の伝統文化を紹介する魅力増進施設(1万0500平方メートル)、ICT(情報通信技術)を活用した観光ガイド拠点とバスターミナルを兼ねた送客施設(1800平方メートル)を計画している。
今後、パブリックコメントを経て区域整備計画を策定し、4月中に国に区域申請する予定。
IR和歌山の完成イメージ(報道発表資料から)