徴用工問題 5憶ドルは経済協力金

徴用工問題を巡っては、差し押さえた被告企業の資産の現金化手続きが進み、年明けまでかかるとされるが、NGO「民族問題研究所」の訴訟担当者は「原告側と被告企業との対話のテーブルが開かれたら、差し押さえた資産の現金化の手続きを一旦ストップする方針」と説明したという。

被告企業はこれまで一切、面談に応じていない。日本政府の強い意向が背後にあるとみられる。

「この時期に現金化が進むと、取り返しがつかないくらい日韓関係が悪くなる可能性があります。原告側は粘り強く回避の可能性を示唆しているわけで、そこに注目しないといけないし、僕らもそこに着目して、日本の社会でどんなふうな動きができるか考えないといけないと思います」

2015年の戦後70年首相談話で、安倍首相は「私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と述べ、謝罪しないことを宣言した。今年の終戦の日の全国戦没者追悼式でも加害責任や反省に触れなかった。植民地支配への贖罪意識はかけらも見えず、逆に居丈高に振る舞う。いまも「宗主国」であるかのように。
「こんなときに、日本社会が抱えている内向性がはっきりする。日韓問題も日朝問題も東北アジア全体の情勢の中でとらえようという視点が全くなく、常に狭い視点での国益に議論が集中しています」

泥沼の日韓関係。金さんはメディアで発言することも多いが、嫌がらせ電話がある一方で、在日を名乗る人から「頼むから韓国を擁護する立場でしゃべらないでほしい。どれだけしんどい思いしていると思てんねん」という電話を受けることもあるという。

「『日韓関係の悪化を受けて鶴橋では』みたいなレポートで、在日の人らが率先して『韓国ひどいですよね』ってことを言います。9・11テロで中東系のタクシー運転手が星条旗を真っ先に掲げたのと同じ構図。誰より先に愛国心を表明しないと攻撃をかわせない。強迫観念の中で言っているんです」。金さんは複雑な心情をそう代弁した。

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