岩国基地の通学規制 米軍要請で1カ月長引く

山口県岩国市の米軍岩国基地が新型コロナウイルス感染防止のため、日本人の基地従業員や契約業者に求めていた子どもの通学規制を6月8日に解除した。市内の小中学校では5月7日から授業を再開しており、基地関係者の児童・生徒は1カ月遅れての授業再開となった。「勉強の遅れを取り戻せるのか」という保護者の声は切実だ。(矢野宏)

東京・横田基地にある在日米軍司令部が日本全国の米軍基地・施設に対し「緊急事態宣言」を6月14日まで延長したことで、岩国基地もその日までの通学規制を要請していた。その後、日本国内での新たな感染者数の減少などを受け、日本人の基地従業員や契約業者の行動規則を段階的に解除する方針を示し、市内の学校への子どもの通学規制も6月8日から許可するとした。

市は4月15日から休校していた46の全小中学校で、5月7日に授業再開に踏み切ったが、基地関係者の子どもは登校できない日が1カ月続いたことになる。市教委は、病気などの「欠席」ではなく、やむを得ない事情による「出席停止」扱いにしてきた。5月29日現在で94人。そのほとんどが基地関係者の児童・生徒だという。

基地では、違反した場合は入門を許可しない措置を取ったため、基地関係者の中には家族と一時的に別居し、子どもを自宅から通わせた人もいたという。

1カ月の遅れに対して市教委は「家庭学習のプリントや授業で板書した用紙を配るなどの対策は取ってきた」と説明するが、「学習の遅れを取り戻せるのか」「子どものストレスが心配」と話す保護者も少なくない。

基地従業員などの子どもの教育を受ける権利を確保するよう市に申し入れた市民政党「草の根」代表の井原勝介・前市長は、「基地内の行動について規制を受けることはあっても、基地外での生活や行動を制限する権利は米側にはない。ましてや、使用者または契約の当事者としての地位を利用して子どもの学習権を妨げることは、憲法に定められた教育を受ける権利の侵害だ」と訴える。

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