「都構想」再びノー 大阪市廃止 押し返した草の根市民

社会福祉法人勤務の女性は鶴見区の職場近くでチラシを配る人に声をかけスタンディングに志願、投票箱が閉まるまで立った。「大阪市が無くなっちゃうの?」と幼い子どもに聞かれ、困った様子の母親。小さなガッツポーズで意思表示してくれた人。投票を終えた高齢の女性は「いつも投票に行く友だちが、娘の都合が悪くなって来られなくなった」と心配そうに話しかけてきた。「誰か車で送ってくれないか聞いてみたんやけど、まだ見つからなくて……。1票でも少なかったらあかんのやろ?」と。

投票日前日の10月31日夜、淀川区十三。街頭演説を終え囲み取材に応じていた自民党市議団の北野妙子幹事長がしみじみ、こう語っていた。「5年前もそうでしたが、いろんな方々が、これで進めてしまっていいのかと気づいた。市民の中に事実が伝わっていないことを知り、動かなければいけないと一人ひとりが立ち上がった。私たちがやっているのはちっぽけなことです。本当に市民の力が大きい。市民が主役でした」。

 

巨大組織対草の根。大阪市を大切に思う一人ひとりが積み重ね、押し返した奇跡の逆転劇だった。

若者たちが主体となった「残そう、大阪」はカンパで大型のビジョンカーも導入した

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