「都構想」再びノー 大阪市廃止 押し返した草の根市民

維新は「デマに注意」

11月1日、投票日。正午を回ったなんば高島屋前は群衆でぎっしりだった。前日、障害者団体がアピールをしていた場所に、大阪維新の会の松井氏、吉村氏がそろい踏みしていた。力のこもった訴えに、怒涛のような拍手が起きる。続く天王寺区の公園「てんしば」は松井氏による「大阪都構想街角説明会」。休日を公園で過ごす家族連れなどが次々に足を止めていた。

通常の選挙と異なり、投票当日の活動もOKだ。チラシの枚数、CMなどにも制限がない。各社の終盤情勢は賛否拮抗していた。物量で圧倒する大阪維新の会。配布するチラシには「住民サービス低下はデマ」などの文字が踊った。

 

「てんしば」から西成区の「新世界」へと歩く。地下鉄やJRの駅周辺でもビラを配る市民たちと出会った。見覚えのあるオレンジのウインドブレーカーはケアマネージャーの真辺明彦さんだった。介護保険を一部事務組合に丸投げするなど、制度案からは高齢者や障害者を支える姿勢がみえないと危機感を持ち、「大阪市が廃止されたら福祉行政は崩壊する」と9月半ばから路上へ。なじられたり、暴言を吐かれたりしながらも「100人に1人でもいい」とチラシを差し出し、根気よく対話するスタイルを貫いた。「最初は一人。でも、途中から駅前に立つ人たちがどんどん増えました」

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