大阪ダブル選 関西学院大の冨田教授 無関心層を呼び起こせ

次は府議会と市議会が制度案を承認するかどうか。府議会は維新単独でまとめられるが、市議会は過半数に2議席足りない。カギを握るのが公明党だ。

これまで維新側は「都構想」への協力を取り付けるため、過去3回の衆院選で公明党候補がいる選挙区への候補擁立を見送り、選挙協力を行ってきた。だが、今回のダブル選で公明党は反維新に回った。早速、橋下氏がツイッターで自民党大阪府連に共闘を呼びかけるなど、公明党に揺さぶりをかけている。

15年に実施された「都構想」をめぐる住民投票は、賛成69万対反対70万。前回の市長選は維新60万に対し反維新40万。今回は66万対48万と前回よりは善戦したが、住民投票のようには戦えなかった。

「今回の投票率が50%前後ということは、約3割の無関心層も、約2割の棄権層も動かなかったということ。住民投票の時、反対派はSNSを活用し、ツイッターの7割を占め、手書きビラまで出た。そんな『地べた選』をやらないと大量棄権層を呼び込めない」という冨田さんはこうも言い添えた。

「住民投票で勝った力を失ったわけではなく、生かし切れなかった。維新は強いという空気が生まれ、こちらが意気消沈していたら、相手の思うつぼ。党派を前面に出すのではなく、社会保守層と一緒に市民が結集する構造を作り上げていくことが大事です。敗北に浸っている場合ではありません」

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